LAST Drip Designs LABORATORY|革研究室(株式会社ラストドリップデザインズ)

ヌメ革の良さを伝えるための画像、メンテナンスグッズもある画像

研究室|革の百科事典

ヌメ革のメリット・デメリット

素材の性質を理解したうえで選ぶために

 

ヌメ革は、一般に「タンニンなめし革」を指して語られることが多い素材です。
経年変化を楽しめる素材として知られる一方で、扱い方によって表情が大きく変わる面もあります。
このページでは、良い面と弱い面の両方を“性質”として整理します。

 

目次(クリックで開きます)
  1. 前提:ヌメ革は「均一さ」より「変化」を受け入れる素材
  2. ヌメ革のメリット
  3. ヌメ革のデメリット
  4. メンテナンスは必要か(起こりやすい症状と予防)
  5. 比較:クロムなめし革のメリット・デメリット(簡易)
  6. まとめ:好みと用途で「合う革」が変わる

※各セクション末尾の「目次へ戻る」から戻れます。

前提:ヌメ革は「均一さ」より「変化」を受け入れる素材

ヌメ革は、表面を厚い塗装で覆わない仕上げで語られることが多く、個体差(色ムラ・トラ・血筋・小キズなど)が見えやすい傾向があります。
そのため「均一でいつまでも同じ見た目」を求めるよりも、使い方が表情に反映される素材――という理解が近いです。

このページの立ち位置

メリット/デメリットは、良し悪しの断定ではなく「性質の整理」です。
どちらが正しいではなく、「自分の暮らしに合うかどうか」を考える材料として使ってください。

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ヌメ革のメリット

1. 経年変化を楽しめる(色・艶・手触り)

光・空気・摩擦・皮脂などの影響で、色が深まり、艶が増していく――と説明されることが多い素材です。
時間の経過が道具の表情として残る点が、ヌメ革の魅力として語られます。

2. 繊維感が残りやすく、形が育ちやすい

タンニンなめしは繊維が締まりやすい傾向があると言われ、使ううちに“その人の使い方”に沿って形が落ち着くことがあります。
ただし、硬さや形状安定性は鞣しだけでなく、革の厚みや仕上げ設計でも変わります。

3. 素材本来の表情が見えやすい

顔料で強く覆わない仕上げでは、トラ、シワ、小キズなどが自然に見えやすくなります。
“均一さ”ではなく“個体差”を、素材の情報として受け取れる人に向く傾向があります。

まとめると

  • 時間と使い方が、見た目に反映されやすい
  • 個体差を「欠点」ではなく「素材の情報」として扱いやすい

※“変化の出方”は個体差・環境・仕上げで変わります。

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ヌメ革のデメリット

1. 水分の影響を受けやすい

水滴が付着すると、乾きムラや繊維の状態差によって“跡”として残ることがあります。
これはヌメ革に限らず「表面を厚く覆わない革」で起こりやすい現象として説明されます。

2. 日焼け(光の影響)で色が変わりやすい

紫外線や酸素などの影響で色が変化しやすく、保管環境でも進む場合があります。
“白さを維持したい”用途では、取り扱いに工夫が必要になりやすいです。

3. 傷や擦れが目立ちやすい

顔料で覆われていない場合、擦れや爪傷がそのまま表面に現れやすい傾向があります。
逆に言えば、傷が“物語”として残る素材でもあります。

ここでの注意

これらは「欠点」というより、素材構造と仕上げ設計から起きやすい“性質”です。
つまり、向き不向きの問題として捉える方が事故が減ります。

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メンテナンスは必要か(起こりやすい症状と予防)

ヌメ革は、使用環境によって乾燥や湿気の影響を受けやすいことがあります。
そのため、必要に応じて拭き上げや補油などのメンテナンスを行うと、状態が安定しやすいです。

主に起こりうること(傾向)

  • ひび割れ:乾燥が強い/屈曲が多い箇所で起こりやすいと言われる
  • カビ:湿気・密閉保管・汚れの付着が重なると起こりやすい
  • 油分のべたつき:塗布量が多い/吸収しにくい条件で残りやすい

※症状の出方は、仕上げ・使用頻度・保管環境で変わります。

基本の考え方(売り文句にしない“手入れ”)

  • 拭き上げ:乾いた布で軽く。汚れや湿気の滞留を減らす
  • 乾燥と換気:密閉を避け、風通しの良い場所で休ませる
  • 補油(必要なときだけ):乾燥を感じたら少量。塗りすぎない

「年1〜2回」といった目安が語られることもありますが、最終的には“状態”で判断する方が安全です。

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比較:クロムなめし革のメリット・デメリット(簡易)

ヌメ革(タンニンなめし)を理解しやすくするために、対比としてクロムなめし革の特徴も簡単に整理します。
ここでも「優劣」ではなく、用途と好みの違いとして捉えます。

クロムなめしのメリット(傾向) 柔らかく仕上げやすい/均一化しやすい/水や熱への耐性が比較的高いと言われることがある
クロムなめしのデメリット(傾向) 経年変化が“見えにくい”仕上げが多い/質感が一定になりやすい(好みの問題)
ヌメ革(タンニン)の良さが際立つ場面 変化を楽しみたい/表情の個体差を受け入れたい/使い方が道具に残ってほしい

※同じ「クロム」「タンニン」でも、仕上げ設計(塗装の強さ等)で性質は大きく変わります。ここでは大枠の整理に留めます。

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まとめ:好みと用途で「合う革」が変わる

ヌメ革は、扱いやすさで言えば“気をつける点が多い”素材です。
その一方で、時間と使い方が表情に反映されるという特性は、他の素材にはない魅力です。

選び方の目安(短く)

  • 変化を楽しみたい:ヌメ革が向きやすい
  • 安定と扱いやすさを優先:クロムなめし系が向きやすい
  • どちらも欲しい:仕上げ設計(表面処理)で中間もある

※正解は一つではありません。「暮らしに合うか」を軸に考えるのが、いちばん事故が少ないです。

※このページは素材理解のための解説です。作品の紹介や販売導線は、研究室の方針として最小限に留めています。

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