LAST Drip Designs LABORATORY|革研究室(株式会社ラストドリップデザインズ)

研究室|革の百科事典

ヌメ革の「ヌメ」とは

語源・英語表記・歴史を、言葉のズレが起きない形で整理する

 

「ヌメ革」という言葉はよく使われますが、“ヌメ”が何を指すのかは説明の場面で揺れがちです。
ここでは、語源として語られる内容、英語での言い換え、植物タンニンなめしの歴史的な位置づけを並べ、言葉の輪郭を整えます。

 

目次(クリックで開きます)
  1. まず整理:「ヌメ革」は日本語の呼び名で、直訳は難しい
  2. 語源として語られる「ぬめり」
  3. 英語表記:vegetable tanned leather という言い換え
  4. 歴史:植物タンニンなめしの古さと、技法の多様性
  5. 国・地域の呼び方:製法名で説明する文化
  6. ヌメ革は革の原初ではない
  7. まとめ:言葉が整うと、理解が整う

※各セクション末尾の「目次へ戻る」から戻れます。

まず整理:「ヌメ革」は日本語の呼び名で、直訳は難しい

先に結論(要点)

  • 「ヌメ革」は海外で共通して使われる規格名ではなく、日本語圏で定着した呼び名として広まった言葉です。
  • 海外では「ヌメ」という単語に相当する直訳より、製法(植物タンニンなめし等)で説明することが一般的です。
  • 英語では、意図に合わせて「製法」「状態(無染色など)」を分けて伝えるほうが誤解が少なくなります。

↑ 目次へ戻る

 

語源として語られる「ぬめり」

「ヌメ」は、日本語のぬめり(しっとり/なめらか)の感触から来たと語られることがあります。
ここでいう“ぬめり”は、滑るという意味よりも、触れたときのしっとりした質感を指す表現として理解されます。

革の文脈には「鞣す(なめす)」という言葉もあり、こうした周辺語とともに「ヌメ」という呼称が定着していったと考えられています。

ヌメ革という言葉は、日本語圏で育った呼び名であり、海外にそのまま対応する単語があるわけではありません。

↑ 目次へ戻る

 

英語表記:vegetable tanned leather という言い換え

基本形:vegetable tanned leather

ヌメ革を英語で説明する場合、誤解が少ないのは vegetable tanned leather(植物タンニンなめし革)です。
「ヌメ」という呼び名を、製法の説明に置き換えるイメージで捉えると分かりやすくなります。

広い言葉:natural leather / genuine leather

“natural leather” や “genuine leather” は便利ですが意味が広く、植物タンニンなめしを特定しません
まず製法を示し、その上で必要な情報を補うほうが説明が安定します。

国・地域の例(考え方は同じ)

言語 呼び方(例)
英語 vegetable tanned leather
ドイツ語 pflanzlich gegerbtes Leder(植物なめしの革)
イタリア語 conciato al vegetale(植物なめし)

※表記は地域・業界で揺れますが、「製法で説明する」という考え方は共通しやすい点です。

↑ 目次へ戻る

 

歴史:植物タンニンなめしの古さと、技法の多様性

植物タンニンを使ったなめしは、古代から存在したと説明されることがあり、地域ごとにさまざまな方法で発展してきました。
一方で、歴史上の「なめし」は植物タンニンだけではなく、煙、油脂、ミョウバンなど、複数の方法が併存してきたと考えられています。

押さえたいポイント

  • 植物タンニンなめしは古い技法のひとつとして語られる。
  • ただし歴史上の革づくりは単一の方法ではなく、地域や用途に応じて多様だった。
  • そのため「古い=単純に原点」と置くより、技法の並びとして理解すると整理が崩れにくい。

↑ 目次へ戻る

 

国・地域の呼び方:製法名で説明する文化

海外では、「ヌメ」という呼び名をそのまま当てはめるより、何のなめしかで説明することが多くなります。
ここでは、日本語で言いたい内容を、説明として分解した場合の整理を置きます。

日本語で言いたいこと 説明として分解すると
ヌメ革(タンニンなめし) vegetable tanned leather(製法で固定)
本ヌメ革(無染色のヌメ革) undyed vegetable tanned leather(状態を追加)

※「無染色」は仕上げや状態を示す言葉で、製法名ではありません。 英語で案内する際は vegetable tanned leather と製法を示し、必要に応じて undyed を補います。

↑ 目次へ戻る

 

ヌメ革は革の原初ではない

「ヌメ革は革の原初」と語られることがありますが、歴史的に見ると、革を安定化させる方法は複数存在してきました。 煙、油脂、ミョウバンなど、地域や用途に応じた技法が併存してきたと考えられています。

植物タンニンなめしは、古くから存在する主要な技法のひとつです。 ヌメ革とは、その技法に基づく革を指す日本語の呼称と理解すると整理が明確になります。

↑ 目次へ戻る

 

まとめ:言葉が整うと、理解が整う

ヌメ革の「ヌメ」は、海外で固定された単語として存在するというより、日本語圏で定着した呼び名として捉えるほうが整理しやすくなります。
海外向けに説明するときは、製法(vegetable tanned)→ 状態(undyed等)の順に分けると、意図が伝わりやすくなります。

※このページは素材理解のための解説です。作品紹介は最小限に留めています。

↑ 目次へ戻る

LAST Drip Designsがデザインしたプロダクトはこちら

SHOPPING SITE SHOPPING SITE arrow_right
PAGE TOP