LAST Drip Designs Co., Ltd.
株式会社ラストドリップデザインズについて
当社は、福岡県北九州市を拠点に、本ヌメ革(植物タンニンなめし革)を主軸とした革製品の企画・製造・販売を行う企業です。 自社レザーブランド「LAST Drip Designs」を運営し、受注生産を基軸に、素材特性と工程を前提としたものづくりを続けています。
THIS PAGE / OVERVIEW
- 何を事業として行い、なぜ受注生産を採用しているか
- 素材(本ヌメ革)に対する基準と、品質の考え方
- 「LAST Drip Designs」という名称と、二つの印(ブランド/LAB)の意味
- 小規模体制でも責任主体を明確にし、情報を整える理由
事業として何をしているか
“何をやっている会社か”を、工程の言葉で整理します。
当社の事業は、革鞄・革財布・革小物を中心とした革製品の企画・製造・販売です。 販売は主にオンラインを基軸とし、在庫販売を前提とせず、注文確定後に製作する受注生産方式を採用しています。
“ものづくり”を説明する時は、言葉を飾るより、工程を隠さない。
業務範囲
- 企画(用途設計・仕様設計)
- 製作(裁断・縫製・仕上げ)
- 検品(出荷前の状態確認)
- 販売(公式ストア/各オンラインモール)
基本方針
受注生産は「納期の説明」のためではなく、素材管理と品質の再現性を守るための運営方針です。 製品在庫ではなく材料で管理する比重を高め、保管・裁断・製作・検品までの流れを一元化し運営しています。
小規模体制
工程管理の責任が持てる範囲でのみ受注し、品質の一貫性を優先します。
素材を主語にする
革は個体差のある素材。設計と検品を「素材の性質」から組み立てます。
情報を整える
売り込みよりも、基準と事実を整え、判断材料として提示します。
なぜ受注生産を採用しているか
“便利さ”より、“再現性”を選ぶための運用です。
当社が受注生産方式を採用している理由は、過剰在庫を持たないためだけではありません。 素材の鮮度、また個体差と工程のばらつきを前提に、設計と改善を繰り返すために、最も整合する方式だと判断しています。
受注生産は、“待たせる仕組み”ではなく、“整える仕組み”です。
※ 生産量には限りがあります。少人数体制であることを前提に、無理な受注を避け、 工程管理の責任が持てる範囲で運営しています。
素材と工程を、同じ基準で扱い続けるための運用である。
素材に対する基準
素材の性質を前提に、設計と検品の基準へ落とし込みます。
当社は、本ヌメ革(植物タンニンなめし革)を主素材として採用しています。 これは「人気があるから」ではなく、素材の性質が、長期使用を前提とした設計と相性が良いと判断しているためです。
本ヌメ革は、使用とともに色艶が深まり、経年変化が現れる素材です。 傷・色ムラ・繊維密度などの個体差が出やすい特性も持ちます。 当社はこの点を「欠点」として均一化するのではなく、素材特性として理解した上で、構造設計と検品基準に落とし込みます。
当社の素材方針
- 過度な表面加工を避け、素材の表情を活かすことを前提に設計する
- 個体差を許容するのではなく、個体差が出ても成立する構造にする
- 素材本来の個性を失わないよう、レシピ改善を行うものとする
素材に焦点を当てる理由
素材に焦点を当てることは、製品寿命を延ばす設計へとつながり、結果として持続可能なものづくりにも直結すると考えています。 素材は単なる原材料ではなく、製品の本質を決定づける要素です。 だからこそ当社は、素材に対して一貫した基準と姿勢を持ち続けています。
「LAST Drip Designs」という名前の由来
“最後の一滴”は、設計の最終局面で現れる個性です。
「ラストドリップ」は、抽出の最後に落ちる一滴を意味します。 当社が設計で重視しているのは、目に見える装飾や派手さではなく、 作品ごとに突き詰めた先に現れる“まとまり”や“癖”のようなものです。
使いはじめの印象よりも、日々の所作の中で静かに残る印象。 そこに製品の個性が宿ると考えています。 当社にとっての「最後の一滴」とは、設計と仕上げの最終局面に現れる、その個性のことです。
目立つために作るのではない。
時間の中で、残っていく“手触り”を整える。
印について
二つの印を、役割として分けて扱います。
BRANDの印
人と道具の関係を表します。
持つ人と、持たれるもの。日々の所作の中で馴染み、静かに“癖”が宿っていく関係です。
LABORATORYの印
選び、使い、そして託す——その循環を、構造として象っています。
道具は一人の時間に留まらず、次の誰かへ渡り、時間の中で意味を変えていく。 私たちはその前提に立って、素材と設計を見つめ直します。
輪繋ぎからの着想
印は、和紋の「輪繋ぎ」から着想を得ています。輪を重ねることで、縁を繋ぐ。その意味に、私たちの姿勢を重ねました。
丸みを帯びた輪郭は、水の波紋を思わせるかたちです。ひとつの選択が、静かに広がり続けますように。
道具が“使われて初めて意味を持つ”のと同じように、印もまた、主張ではなく、積み重ねの先で理解されるよう願いを込めました。
創業時から変わらない考え
平均点ではなく、“特定の誰か”に成立する設計を積み重ねる。
当社が目指しているのは、単に「商品」をつくることではありません。 日常の中で寄り添い、長く使われることを前提にした“道具としての作品”を届けることです。
わたしのほしい=だれかのほしい
「わたしのほしい」が、どこかの誰かの「ほしい」でもある。 不特定多数に向けて平均点を狙うのではなく、特定の誰かにとって意味を持つ設計を積み重ねる。 この姿勢は、創業当初から変わっていません。
小規模体制と透明性
責任の所在を曖昧にしないために、規模を言い訳にしない。
当社は少人数体制で運営しています。企画・設計・製作・検品を一貫して管理し、改善点があれば次回製作から反映することを基本としています。 生産量には限りがありますが、その分、工程管理の責任を手放さない体制を維持します。
情報開示の考え方
素材の特性や製作工程については、必要な範囲を丁寧に開示し、透明性のある情報発信を通じて信頼関係の構築に努めています。 売り込みよりも、基準と事実を整えて提示することを優先します。

— image / FOR U —
代表より
“好き”を、基準に落として運用する。
私がこのブランドを立ち上げた当初、いちばん強く意識していたのは、 「好きなモノに触れて、囲まれて、1日1日を大切に過ごしたい」という感覚でした。
目に見える派手さではなく、触れたときの感触や、使い込むことで育っていく表情。 そういった“素材が持つ個性”に惹かれ、素材から設計を組み立てるやり方を続けてきました。
企業として運営する今も、その基準は変わっていません。 作る側の都合ではなく、使う側の時間に耐えられる設計と品質であること。 そのために必要な工程と基準を、これからも整え続けます。
株式会社ラストドリップデザインズ
代表取締役 池田 宜弘











