LAST Drip Designs LABORATORY|革研究室(株式会社ラストドリップデザインズ)

皮にピット槽でタンニンを染み込ませてる画像

研究室|革の百科事典

タンニンなめしとは

植物タンニンとコラーゲン繊維の“安定化”から理解する

 

タンニンなめしとは、植物由来のタンニン成分を使って、動物の皮を「革」へと変化させる鞣し(なめし)方法です。
このページでは、感覚的な説明ではなく、なぜ皮が腐りにくくなり、強度を持ち、経年変化しやすいと言われるのかを、できるだけ生活者向けに整理します。
※ここは商品紹介ではなく、素材理解のためのページです。

 

目次(クリックで開きます)
  1. そもそも「鞣し」とは何か
  2. 植物タンニンとは何か
  3. なぜ硬くなり、経年変化しやすいと言われるのか
  4. クロムなめしとの違い
  5. 鞣しの主な工程と所要日数(一般的な傾向)
  6. 価格に反映されやすい理由(構造として)
  7. まとめ

※各セクション末尾の「目次へ戻る」から戻れます。

そもそも「鞣し」とは何か

動物の皮は、そのままでは腐敗します。主成分であるコラーゲン繊維は、水分や微生物の影響を受けやすいためです。
鞣し(なめし)とは、このコラーゲン繊維の状態を安定化させる処理を指します。

皮と革の違い(大づかみ)

  • :腐敗しやすいタンパク質構造(動物の皮膚、未処理の状態)
  • :繊維構造が安定化された状態(腐敗しにくく、道具として扱える)

※ここでは「完全に腐らない」という意味ではなく、「日常の素材として扱える状態に近づく」と捉えると分かりやすいです。

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植物タンニンとは何か

タンニンは、植物の樹皮や葉などに含まれるポリフェノール類の総称として説明されることが多い成分です。
例として、ミモザ、ケブラチョ、チェスナットなどの樹皮から抽出されるタンニンが用いられることがあります。

タンニンなめしは、このタンニン成分がコラーゲン繊維に作用することで、繊維が安定化していく――という理解から入ると整理しやすいです。

結合のイメージ(ざっくり)

コラーゲン繊維は三重らせん構造を持つと言われます。タンニンはその周辺に作用し、水素結合などを中心とした相互作用を形成すると説明されることがあります。
その結果、繊維が動きにくくなり、形状安定性や硬さの傾向が出やすい――という方向で語られます。

ここで大事なポイント

  • タンニンなめしは「植物成分で繊維を安定化させる」方向の鞣し
  • 硬さ・変化の出方は、鞣し以外の設計(仕上げ)でも大きく変わる

※科学の説明は本来かなり深い領域です。この研究室では、生活者が混乱しない範囲で整理します。

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なぜ硬くなり、経年変化しやすいと言われるのか

タンニンなめし革は、繊維の密度が高く、空気や光など外部要因の影響を受けやすい――という説明がされることがあります。
紫外線や酸素、皮脂、摩擦などの影響で、タンニン構造が酸化・重合していき、色や艶が変化していく、と整理すると理解しやすいです。

経年変化の捉え方

経年変化は「必ず美しくなる」と断定できるものではありません。
ただ、タンニンなめしでは「外部要因への反応が見えやすい」ため、色と艶の変化として体感されやすい――という理解が近いです。

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クロムなめしとの違い

現在、世界で主流とされる鞣し方法の一つがクロムなめしです。三価クロム塩を用い、比較的短時間で安定した革を作りやすい、と説明されます。
一方のタンニンなめしは、時間をかけてゆっくりと繊維を安定化させていく方向の鞣しです。

違いの早見(一般的な語られ方)

  • クロムなめし:柔らかく仕上げやすい/均一化しやすい/生産効率が高い傾向
  • タンニンなめし:硬めの傾向/繊維感が残りやすい/変化が見えやすいと言われる

※どちらが優れているという話ではなく、用途・仕上げ設計・目指す風合いが違う、と捉える方が正確です。

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鞣しの主な工程と所要日数(一般的な傾向)

鞣しは「タンニン/クロム」の違いだけでなく、前後の下準備や仕上げ工程も含めて“手数”が多い工程です。
ここでは、代表的な流れを大づかみに整理します(タンナーや革種・設備で前後します)。

前処理(準備) 洗浄・脱毛・脱脂・石灰処理など。皮を均一な状態に整える工程。
鞣し(タンニン) タンニン液に時間をかけて浸透させる。厚み・狙う硬さで時間が変わりやすい。
中和・加脂 pHの調整、油分の付与など。風合いと耐久性に関わる工程。
乾燥・伸し 乾燥させ、必要に応じて伸ばし・整形。ここでも時間と手間がかかる。
仕上げ 染色の有無、表面処理(薄化粧〜しっかり塗装)など。見え方と特性が大きく変わる。

所要日数の目安(断定しないレンジ)

  • クロムなめし:数日〜1〜2週間程度のレンジで語られることが多い
  • タンニンなめし:数週間〜数か月のレンジで語られることが多い

※実際の所要は、革の厚み、目的の硬さ、設備、工程設計、天候(乾燥)などで大きく変わります。
ここでは「傾向として、タンニンは時間がかかりやすい」と理解するとブレにくいです。

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価格に反映されやすい理由(構造として)

タンニンなめし革が「高くなりやすい」と言われる場合、その理由は“希少だから”だけではなく、工程構造にあります。

コストが乗りやすいポイント(一般的な傾向)

  • 時間コスト:浸透・乾燥など、短縮しにくい時間が発生しやすい
  • 管理コスト:液管理・温湿度・乾燥の見極めなど、調整が必要になりやすい
  • 人手コスト:工程が多く、途中判断や手直しが出やすい
  • 歩留まり:狙う風合いに合わせた選別が必要になるケースもある

※ただし、価格は鞣しだけで決まるものではなく、原皮、仕上げ、ブランド設計、流通でも変わります。

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まとめ

タンニンなめしとは、植物タンニンがコラーゲン繊維に作用し、繊維構造を安定化させることで、皮を革へと変える工程です。
その構造的特徴が、硬さの傾向や、色・艶の変化が“見えやすい”性質につながる、と整理できます。

※このページは素材理解のための解説です。作品の紹介は、研究室の方針として最小限に留めています。

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