なめしとは?革ができるまでのそれぞれの工程を徹底解説
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財布やキーケースなど、性別や年代を問わず愛されているレザー製品ですが、一体どのように革ができているのか知っているという方は少ないのではないでしょうか。革を作るためには、「なめし」という工程を欠かすことができません。そこで今回は、なめしとは一体どういった作業なのか、さらに革ができるまでの流れをご紹介します。
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なめしとは?
まずは、なめしとは一体どういう作業内容なのか、その歴史を含めてご紹介します。
皮を鞣す(なめす)
なめしには、文字の通り革を柔らかくする役割があります。革は動物の皮からつくられていますが、もちろんそのままの状態で使用することはできません。なめしの工程を得なければ、皮は、腐敗し固くなってしまうのです。
なめしの工程は、専用の工場で「タンナー」と呼ばれる職人の手によって行われています。はるか昔から、動物の皮を美しく実用的な革へと生まれ変わらせるために、人々が工夫を重ねてきたその知恵と技術がなめしという作業に凝縮されています。
なめしの歴史
人々は、昔から動物の皮を衣類として身に着けたり、テントなどの生活必需品を作ったりしてきました。そんな中で、革に耐久性を与え柔らかくするために編み出したのが、植物から抽出したタンニンと、皮に含まれているコラーゲンを結合させる方法です。現在では、技術の発展とともに、植物から抽出したタンニンだけでなく、さまざまな薬品を使用してなめしが行われています。
なめし剤とは
なめしを行うためのなめし剤には、植物由来の成分であるタンニンと、塩基性硫酸のクロムがあります。昔は 、革を燻したり、塩や油をなめしていたこともあります。どのようななめし剤をどの程度の配分で混ぜて使用するのかによって、仕上がりが大きく異なるため、それぞれのタンナーのオリジナリティーが発揮される重要な部分といえるでしょう。
なめしを含む革ができるまでの工程について
次に、皮が革になるまでの工程についてご紹介します。
洗浄
原皮は、そのほとんどがアメリカやヨーロッパから輸入されたものです。これらは腐らないように、しっかりと塩漬けされた状態で保管されています。まずは、大量の水で洗い、塩分や血液などを洗い流していきます。
前処理
次に、前処理を行います。まずは、石灰漬けにして皮に含まれているコラーゲンをほぐし、皮に残っている脂肪や毛などを分解します。この毛を抜き取った状態の皮は、銀面とも呼ばれており、後に革の表面になります。
石灰漬けの後には、脱灰を行います。脱灰とは、革の中に残ってしまった石灰を、取り除く作業を指します。また、石灰によってアルカリ性になった皮を中和し、よりなめしをスムーズに行う役割もあります。 前処理の中では、大きな革を分割する作業も行われます。この作業は「背割り」と呼ばれていて、背骨に沿って皮を分解することで、その後の作業をスムーズに行うという目的があります。
なめし
前処理が終わったら、ついになめしを行います。なめしは、ドラムに入れて回転させる方法と、ピットに浸す方法があります。なめしにかかる時間は、皮の状態や、その時の気候などによって細かく調節されています。また、薬剤の濃度やドラムの中で回転させる回数についても、タンナーによって大きく異なります。
洗い・乾燥
なめしの工程が終わったら、一度皮を洗い、余分な水分を絞り出します。場合によっては、この時点で革を染料液に入れ、色をつけることもあります。また、油脂を加えてより柔らかく光沢を与えることもできます。 なめし剤や染料などをしっかりと革に定着させるためには、しっかりと乾燥させることが重要です。風通しの良い場所で自然乾燥を行ったり、真空乾燥機を使用したり十分に乾かします。
革漉き
革漉きとは、革の厚みを調整することを指します。それぞれの注文に合わせて、特殊な機械を使って厚みを均等にしていきます。
仕上げ
最後の仕上げでは、ポリッシングマシンやグレージングマシンという機械を使って表面を磨き、革に光沢を出します。さらにアイロンがけを行い、表面をなめらかにし、塗膜を定着させたら完成です。
まとめ
今回は、革を作る工程の中でも、一番重要な工程であるなめしについて詳しくご紹介しました。皮が革へと変化するまでには、さまざまな工程が必要であることがお分かりいただけたでしょうか。革製品の魅力は、タンナーやなめし剤の違いによって大きく異なります。ぜひ、革ができるまでの工程にも注目して、革製品を楽しんでみてください。
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掲載元
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