革好きから圧倒的な支持を集めるタンニンなめしの特徴について
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革を作るために欠かせない「なめし」という工程ですが、その方法にはタンニンなめしとクロムなめしという2種類の方法があります。今回は、革好きから圧倒的な支持を集めるタンニンなめしの特徴や魅力をご紹介します。
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タンニンなめしとは?
タンニンなめしとは、植物成分のタンニンをなめし剤として使用する方法です。古くから革をなめす方法として活用されてきたものの、生産性やコストの観点から、最近では化学薬品を使用するクロムなめしが主流となってきましたが、その独特な美しい風合いから、革好きから今も高い人気を集めています。
タンニンなめしの方法
タンニンなめしの方法には、ドラムなめしとピットなめしという方法があります。
ドラムなめし
ドラムなめしとは、大きなドラムに皮とタンニンなめし剤を入れ、ドラムを回転させることでタンニンを皮に叩き込む方法です。ドラムを使うことで、より短時間でなめすことができます。手間と時間を短縮させられることから、近年より一般的になっている方法です。
ピットなめし
ピットなめしとは、いくつもの槽に種類や濃度の異なるタンニンなめし剤を入れ、皮を順番に漬け込んでいく方法です。一か月以上の時間をかけて、ゆっくりと皮の芯までタンニンを浸透させていくため、丈夫で美しい革に仕上がります。
しかし、ドラムなめしに比べると手間と時間がかかるため、最終的な革のコストが高くなりやすいというデメリットもあります。また、大きな槽をいくつも用意するためには、広大なスペースも確保しなければなりません。
タンニンとは?
タンニンというのは、植物に含まれているポリフェノール化合物の一種です 。革のなめしだけではなくさまざまな分野で活用されていて、リグニン、タンニン酸、ポリフェノール、カテキン、フラボノイド などと呼ばれることもあります。
タンニンは、動物の皮に含まれているタンパク質に作用することで、ゼラチン溶液を沈殿させるという性質があります。革のなめしには、ミモザ、チェストナット、ケブラチョ、ミロバランなどのタンニンが使用されています。
タンニンなめしの歴史
植物に含まれているタンニンが動物の皮の保存に役立てられることが発見されたのは、森の水たまりにあった動物の死骸において、皮膚だけが腐らずに残っているのを見つけたことがきっかけだといわれています。
タンニンなめしの歴史は古く、紀元前600年ごろには、すでに地中海沿岸で活用されていたという記録があります。現在のような形でタンニンの抽出と加工が本格的に始まったのは、19世紀のイギリスが始まりです。当初は、オークからタンニンを抽出していたのですが、その後研究を経て、よりタンニンを多く含む植物から抽出されるようになります。
タンニンなめしの特徴
次に、タンニンなめしの特徴と魅力をご紹介します。
時間と共に革が馴染んでくる
タンニンなめしの魅力は、毎日使用していくうちに時間と共に革が馴染んでくる点にあります。使い始めの時には、デリケートな表情をした革も、毎日使用することでよりなめらかな質感へと変化します。
また、使い方によって形も変化していくのがタンニンなめしの特徴です。たとえば、リュックサックであれば、物を入れたり、体と密着させているうちに、体温や重さによって形が変化していきます。このように使い方や使う人に合わせて馴染んでくるのが、タンニンなめしの特徴です。
人にも環境にも優しい
タンニンなめしは、フルベジタブルタンニンとも呼ばれているように、植物性の材料を活用したなめしです。そのため、人にも環境にも優しい製法といえるでしょう。
固めの仕上がり
タンニンなめしは、コシがある硬めの革に仕上がるのが特徴です。なぜなら、タンニンには、動物の皮に含まれている繊維を収縮させる作用があるからです。しかし、使っていくうちにより柔らかくしなやかな革へと変化していきます。
通気性と吸収性がよい
タンニンなめしでは、革の通気性と吸収性を高めることができます。そのため、バクテリアが増えたり、不快なニオイが発生したりするのを軽減することができるでしょう。
まとめ
今回は、タンニンなめしの方法やその特徴についてご紹介しました。古代から活用されてきたタンニンなめしは、革本来のエイジングを楽しめることから、愛好家からも高い人気を集めています。ぜひ、タンニンなめし革の美しさを味わってみてはいかがでしょうか。
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掲載元
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