革製品におけるなめし方の違いとは?タンニンなめしVSクロムなめし
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革の見た目や特徴を左右するのが「なめし」という行程です。なめしには、動物の皮を丈夫で柔らかくし、革に変化させるという役割があります。なめしの種類は、大きく分けてタンニンなめしとクロムなめしに分けられます。そこで今回は、二つのなめし方の違いについてご紹介します。
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タンニンなめしについて
まずは、タンニンなめしについてご紹介します。
タンニンなめしとは
タンニンなめしとは、植物に含まれている水溶性の化合物と、皮に含まれているタンパク質を結合させる方法です。古くから用いられてきた方法で、古代エジプト時代から使用されてきた歴史があります。タンニンなめしには、手間と時間がかかるため、その全ての工程を天然なめし加工で行う会社は、日本にも数社しかありません。
タンニンなめしのメリット
タンニンなめしの良さは、革のエイジングを楽しめる点にあります。時間が経つにつれ、色味が大きく変化するため、革を育てる楽しみを感じられるでしょう。
タンニンなめしのデメリット
タンニンなめしのデメリットは、なめしに手間も時間もかかるため、費用が高くなってしまうことがあげられます。また、タンニンなめしは水分に弱く、雨に濡れてしまうと変色を起こしてしまいます。
クロムなめしについて
次に、クロムなめしについてご紹介します。
クロムなめしとは
クロムなめしとは、塩基性硫酸クロムという薬品を使用する方法です。約100年前に、ドイツで開発されたのが始まりです。時間をかけずに皮をなめすことができるので、高度経済成長期にタンナーの多くがタンニンなめしからクロムなめしへと切り替えたと言われています。
クロムなめしのメリット
クロムなめしのメリットは、タンニンなめしに比べると変化が少なく、お手入れの手間がかからない点があげられます。タンニンなめしに比べると、手ごろな値段で販売されているのも魅力となっています。
クロムなめしのデメリット
クロムなめしのデメリットは、革ならではの変化をあまり楽しむことができない点にあります。 また、クロムは金属製であるため、人によってはアレルギーを起こしてしまうこともあるでしょう。
なめしの違いを見分ける方法
ここでは、なめしの違いを見分ける方法についてご紹介します。
匂いをかぐ
なめしの違いを見分ける一番簡単な方法が、表面の匂いをかぐ方法です。鼻をつくような化学薬品の匂いがする場合にはクロムなめしである可能性が高くなります。
吸水性を確認する
水滴を垂らした場合に、すぐにシミができる場合にはタンニンなめしである可能性が高くなります。クロムなめしの場合には、革が水を弾き、一瞬時間を置いてから水分が染み込みます。この方法を試すときには、水シミができてしまうため、目立たない場所で行うようにしてください。
革の種類や特徴に注目する
それぞれの革の種類や特徴によって、なめしの違いを見分けることができます。
タンニンなめし
牛革の中でも、タンニンなめしを行い、染色や仕上げを行っていない革をヌメ革と呼びます。さらに、ヌメ革の表面にグレージング加工をしてツヤを出した革のことを、サドルレザーと呼びます。その他にも、ヌメ革にしっかりとオイルを含ませたオイルレザーも、タンニンなめしが使われています。また、タンニンが表面に浮き出てくる仕組みを使用したカービングと呼ばれる革もタンニンなめしとなります。
クロムなめし
一般的には、ガラスレザー、スエード、ヌバックなどの革にはクロムなめしが使われています。その他にも、防水加工が行われている革や、エナメル加工が行われている革も、そのほとんどがクロムなめしとなっています。
まとめ
今回は、なめしによる革の違いについて詳しくご紹介しました。タンニンなめしとクロムなめしには、それぞれにメリットとデメリットがあります。革製品を選ぶ際には、どのようななめしが行われているのかにも注目しながら革を選んでみましょう。
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掲載元
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