革好き必見!良いとこ取りを実現したコンビネーションなめしの特徴
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革作りに欠かすことができないのが「なめし」という行程です。なめしには、植物の成分を利用するタンニンなめしと、化学薬品を使用するクロムなめしという2種類の方法がありますが、それらを組み合わせたのがコンビネーションなめしです。今回は、コンビネーションなめしの流れや特徴についてご紹介します。
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コンビネーションなめしとは?
コンビネーションなめしは、別名で混合なめしとも呼ばれており、さまざまななめし製法の中から、複数の方法を組み合わせるというものです。クロムなめしのメリットである短時間の加工と、タンニンなめしが持つ風合いやコシのある質感を両立させることができます。
コンビネーションなめしの流れ
コンビネーションなめしは、複数のなめし剤を混ぜ合わせて行うわけではありません。まずは、クロムなめしを行い、ウェットブルーと呼ばれる革へと変化させます。次に、タンニンを使って再度なめしを行っていきます。ミモザ、チェストナットなどの天然タンニンのほかにも、科学的に作られた合成タンニンを使用することもあります。
また、先にタンニンなめしを行い、後からクロムなめしを行う場合には、「逆コンビなめし」と呼ばれています。
コンビネーションなめしに欠かせない脱クロ処理
コンビネーションなめしを行う中で、もっとも重要になるのが脱クロ処理です。脱クロ処理とは、クロムなめしを行った後に、クロムを抜き取る作業を指します。抜き取るとはいえ、完全に取り除いてしまうのではなく、調節を行いながらある程度クロムを残す必要があります。脱クロ処理で残したクロムの量とタンニンとの割合が、革の品質に大きな影響を与えます。
クロムとタンニンの割合について
クロムの割合が多ければ、柔らかくエイジングによる変化が少ない革に仕上がります。一方で、タンニンの割合が多ければ、固くエイジングしやすい革になります。加工する革の厚みや、加工時の気温・水温などを考慮した上で最適な比率でなめしを行うのが、タンナーの腕の見せ所となっています。
コンビネーションなめしの特徴
それぞれのメリットを掛け合わせたコンビネーションなめしは、そのバランスの良さから高い人気を集めています。
両方の良いとこどり
コンビネーションなめしの特徴は、それぞれのなめし製法が持つメリットをどちらも併せ持っている点にあります。
タンニンなめしの良さ
タンニンなめしの良さは、やはりその革ならではの風合いを楽しめる点にあります。時間が経つにつれて色やツヤが変化し、革を育てているかのような感覚を味わえます。また、使い方や使う人に合わせて革が変化していくのも、タンニンなめしの魅力といえるでしょう。
クロムなめしの良さ
クロムなめしの良さは、なめしにかかる時間を大きく短縮できる点にあります。タンニンなめしだけでは一か月以上かかってしまうのに比べ、クロムなめしであれば1日で終了します。また、クロムなめしの革は軽く加工しやすい上に、タンニンなめしよりも熱に強いというメリットがあります。エイジングによる変化は少ないものの、タンニンなめしで作られた革に比べると、メンテナンスしやすいのが特徴です。
まとめ
今回は、そのバランスの良さから高い人気を集めているコンビネーションなめしについてご紹介しました。コンビネーションなめしでは、タンニンなめしが持つ風合いの良さと、クロムなめしが持つ加工のしやすさや丈夫さをどちらも取り入れられるのが魅力です。
しかし、その加工は決して簡単ではなく、それぞれの割合について細かく調整する技術と知識が必要になります。革製品を選ぶ際には、ぜひなめしの方法にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
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掲載元
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