PVC素材とPUとの違いについて解説
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本革の代用品として靴や鞄、ジャケット、ソファなど、様々な製品に用いられる合皮。特に最近のものはかなり精巧にできており、ちょっと見ただけでは区別がつかないほどになっています。その合皮の素材としては「PVC」と「PU」がありますが、2つの違いを理解している方は意外と少なく、お手入れの仕方を間違ってしまうこともしばしば。合皮を使った製品を長持ちさせるには、正しい知識を身に付けてメンテナンスをこまめに行う必要があります。
そこで今回はPVCとPUの違いやそれぞれの手入れの方法について詳しく解説していきます。
この記事を読むための時間:3分
人工的な革素材であるPVCとPU
合皮に使用する代表的な素材である、「PVC」と「PU」。最近では「フェイクレザー」なる言葉も生まれるほど、その見た目や質感は本革さながらの仕上がりです。これらは衣類やソファ、バッグに財布など、どちらも同じ製品に利用されますが、性質に違いがあり、メンテナンスの仕方も異なります。それぞれどのような素材なのかについて、まずは解説していきます。
PVCとは
PVCとは「polyvinyl chloride」の略称であり、別名「塩化ビニル」とも呼ばれます。合皮に使用された素材としては最も古いといわれており、1940年代にはすでにアメリカで使用されていました。加工がしやすく、耐久性や耐水性、耐候性にも優れている反面、耐熱性に乏しく、マイナス五度以下の低温環境だと衝撃性が低下する、といった短所もあります。
PUとは
PUとは「Polyurethane(ポリウレタン)」の略称であり、別名「ウレタンゴム」とも呼ばれています。元々天然ゴムの代用品として開発されたものであり、
- 弾性や柔軟性
- 引っ張り強度
- 耐摩耗性
- 衝撃強度
こういった項目に優れた性能を発揮する一方で、熱や水に弱いといったデメリットも持ち合わせています。
PVCの長所
PVCは元々耐水性に優れた素材であり、手入れがしやすいといった長所があります。水に強いので汚れた部分をサッと水拭きすることができ、場合によっては中性洗剤を使ったお手入れも可能です。また、素材そのものの価格が安く、本革素材だと高価でなかなか手が出せないような衣類や鞄、ソファなども比較的安価で購入することができます。
PUの長所
PUは柔軟性や伸縮性、通気性に優れた素材であり、衣類やソファなど、肌に直接触れる製品に用いた際の触り心地の良さはPVCに勝るものがあります。また、軽量であること、製品にした際にシワができにくいことなども特筆すべき長所でしょう。
PVCとPUの違いとは?
同じような製品に使用されるPVCとPUですが、
- 見た目や質感
- 耐水性や撥水性
こういった点に違いがみられます。間違ったメンテナンスをしないためにも、この相違点について、詳しく解説していきます。
見た目や質感の違い
PUを素材とした合皮とPVCを素材とした合皮とでは外観や質感に違いが見られます。PVCを素材とした場合、表面がツルっとしていますが、PUを素材としたものは表面に凹凸があり、どちらかというと本革にかなり近い感触です。また、PVCよりPUのほうが伸縮性に優れており、衣類やソファなどに用いた場合、着心地や座り心地はPUのほうが上でしょう。
撥水性・耐水性の違い
撥水性や耐水性に関しても2つの素材には大きな違いがあり、PUよりもPVCのほうがこの点に関しては優れています。従って、手入れのしやすさは汚れがついてもサッと水拭きができるPVCのほうが上でしょう。PUの場合水拭きすると水分が浸透してしまい、かえって汚れが染みついてしまう可能性があります。
まとめ
どちらも同じような製品に使われるPVCとPUですが、性質に違いもあり、手入れのしやすさ重視ならPVC素材を、外観や使い心地を重視するならPUを選ぶと良いでしょう。また、PVC素材のほうがPU素材よりも比較的安価なので、こういった面も注視するとよいかもしれませんね。素材の性質をしっかり理解していないと、せっかくの製品が短命に終わってしまうことも。正しいやり方でお手入れし、少しでも長く愛用することをおすすめします。
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掲載元
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