ヌメ革と本革の違いとは?革の種類と特徴を知ろう
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ヌメ革と本革にはどのような違いがあるのか知っていますか?そもそもヌメ革・本革の定義も曖昧だという方も多いはずです。この記事では、ヌメ革と本革の違いについてわかりやすく紹介していきます!革に興味がある方や、ヌメ革・本革について知りたいという方はぜひ参考にしてください。
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本革とヌメ革の違い
早速、本革とヌメ革の違いを紹介していきます。
本革とは
本革とは、その名の通り“本物の革”という意味で、合成皮革ではなく動物の皮から作られた革のことです。動物の皮を「なめし」という加工処理によって腐敗を止めることで革になり、そこから様々な仕上げ加工を施すことでオイルレザーやスウェード、シュリンクレザーなど革の銀面(表面)に表情を持たせたり油分を多量に持たせるような多種多様な革が作られています。
ヌメ革とは
ヌメ革とは、植物から抽出される「タンニンなめし(植物タンニンなめし・ベジタブルタンニンなめし)」というなめし方法で処理を施し、仕上げ加工を施していない本革のことです。革を柔らかくすると書いて「鞣し(なめし)」と読みます。もっとも古く伝統的な「タンニンなめし」は数か月かけて皮から革を作り上げる加工技術で、数十ある工程を経て皮から革を作り上げます。本来のヌメ革とはタンニンなめし後の「仕上げ加工を施さない素上げの革」のことを指していましたが、現代では銀面の均整が整っていることが美しいとされ「ヌメ色調の肌色染色を施した革」をヌメ革と呼ぶことがほぼとなっています。
ラストドリップデザインズのヌメ革は、原初とも言える素材感を引き立てる染色や加工を施さない「無染色・無加工」のヌメ革を使用しています。このヌメ革こそが最も本革らしい原初の本革と言えるのではないでしょうか。
本革の種類と特徴
ここからは、本革の種類による違いと特徴をみていきましょう。
牛革(カウレザー)
皮革のなかで最もポピュラーなのが牛の皮を使う牛革(カウレザー)。ヌメ革もほとんどが牛革です。生後6ヶ月未満の子牛の「カーフ」、出産経験をもつメス牛の革「カウハイド」など、牛の状態によってもさまざまな種類があります。ラストドリップデザインズでは厚みとハリコシが感じられるステアハイド(生後3〜6ヶ月以内に去勢され、2年以上経った牡の成牛の革)を主に使用しています。表面がなめらかで組織が均一に整っており美しいことと、非常に丈夫なのが特徴です。
馬革(ホースハイド)
馬の皮を使う馬革(ホースハイド)は厚みが薄く、牛革より強度が劣ると言われるものの、しなやかで手触りが柔らかいのが特徴です。馬のお尻から少ししか取れない皮を使う「コードバン」は、削り出すのにも高度な技術が必要で、希少な高級革として世界的に知られています。
ヤギ革(ゴートスキン・キッドスキン)
大人のヤギの皮を使う山羊革は、丈夫さと小さな「シボ」と呼ばれるシワ模様があるのが特徴。子どものヤギの革を「キッドスキン」、大人のヤギの革を「ゴートスキン」と呼びます。丈夫ながら柔らかく、薄くしても強度が高いので靴や高級書籍の装丁などさまざまな用途で使用されています。
仕上げ加工を施した革との違い
ヌメ革は仕上げ加工を施さない本革。仕上げ加工を施した革は、加工の方法によってさまざまな種類のレザーになります。代表的な種類を紹介するので、ヌメ革との違いを知っていきましょう。
オイルレザー
オイルレザーは、タンニンなめしの後にオイルをたっぷりと染み込ませた革です。オイルを染み込ませるのは耐水性や耐久性、柔軟性をあげるのが目的。しっとりなめらかな質感と輝き、タフに使える丈夫さが特徴です。
スウェード
スウェードは、クロムなめしを施した革の内側をサンドペーパーなどで磨いて起毛させたもの。子牛や子ヤギなどの革を使うことが多く、柔らかな手触りが特徴です。本革のスウェードを模した人工の合成皮革も作られており、そちらもスウェードと呼ばれています。よく似た種類で、牛革を使い革の表面をヤスリがけしたものは「ヌバック」と呼ばれるレザーです。
ブライドルレザー
ブライドルレザーとは、もともと馬の頭部に使用する馬具のために作られた革のこと。英国で馬車が主流の時代、過酷な使用環境にも耐える馬具のためにグリースを多量に含ませた革が作られたのがブライドルレザーのはじまりで、「轡(くつわ)」や「面繫(おもがい)」などを総称してブライドルと呼ばれていました。そこから転じて、タンニンなめしの後にワックスやロウ引き加工で仕上げられた牛革(表面にブルームと呼ばれるグリース成分が固まって白く浮き出た状態が見られる革)をブライドルレザーと呼ぶようになりました。
ヌメ革とヌメ革調の革の違いを理解しよう
ヌメ革と本革の違いについて紹介しました。そして、最後にヌメ革には実は2種類あることも知って頂けたら幸いです。
ヌメ革
ヌメ革は本来、「タンニンなめし」処理をして、染色や仕上げ加工を施していない本革のことを言います。伝統的な鞣し方法でなめし、仕上げ加工をしないことで使用する革そのものの風合いが活かされるヌメ革こそが、「ヌメ革の中のヌメ革」「最もヌメ革らしいヌメ革」とも言えます。
ヌメ革調の革
染色加工を施したヌメ革は本当は「ヌメ色染色を施したヌメ革調の革」と呼んだりしますが、現代ではこちらのヌメ革調の方が「ヌメ革」として認識されていることがほとんどです。
「加工を施さないヌメ革」こそがラストドリップデザインズでも展開するノンファンデーションレザーに使用されている「無垢で原初の本物のヌメ革」だということを知って頂く1つの機会になれば幸いです。
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掲載元
LAST Drip Designs co.,Ltd