愛用のヌメ革製品に手垢のような黒ずみができてしまい、「きちんとお手入れしていれば……」と後悔した経験はありませんか？頑固な手垢を落とすのは難しそうに思えますが、ヌメ革の手垢や黒ずみはケアで落とせる場合があります。そこでこの記事では、ヌメ革の手垢・黒ずみの落とし方を紹介します。ヌメ革に手垢をつけないための対策方法もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください！

この記事を読むための時間：3分

ヌメ革の手垢汚れの原因

ヌメ革に手垢汚れがつきやすい原因は、ヌメ革に水分や油分を吸収する性質があるからです。前の記事でもご案内していたヌメ革のお手入れ方法の中で触れた特性上、タンニンを含む表面処理を施していないヌメ革の場合には、手垢に手汗や皮脂などの油が含まれるため、手で触って使っているだけでも、いつの間にか手垢汚れや黒ずみができていくのです。ヌメ革は使い込むうちに色や質感が変化していくエイジング（経年変化）を楽しめるのが最大の魅力のひとつです。手垢や黒ずみもエイジングとして味わい深さを感じられるものの１つではありますが、どうしても気になる方は定期的にお手入れを行い適切な処置をすることで落とせる場合があります。

手垢の落とし方

ヌメ革に手垢汚れがつく原因を知ったところで、ここからは手垢の落とし方を紹介していきます。

レザークリーナーかレザークリームを使う

革用のクリーナー、または多くの革製品愛用者が持っている革のお手入れ用クリームを使って落とせる場合があります。乾いた布にクリーナーかクリームを少量取り、優しくクルクルと手垢汚れのついた部分を擦ってみてください。クリーナーやクリームは大量に付けると油シミになる可能性があるため、必ず少量に抑えるのがポイントです。ある程度擦ったら乾拭きして自然乾燥させ、手垢汚れが取れたか確認しましょう。

レザーケアで失敗しないために

レザークリーナーやメンテナンスクリームを使って初めて革のケアをする場合は目立たない場所でパッチテストを行ってから革と相性が良いことを確認して本番のメンテナンスに移りましょう。革全体に塗布した後に色ムラや変色・異変に気づいても復元がほぼ難しいため、１つ１つの作業を丁寧かつ説明書とおりにステップを踏みながらケアすることをオススメします。

当ブランドがオススメするのはラナパー社が取り扱うレザークリーナーです。（当サイトでは取り扱いのない商品になります）

※文字をクリックするとラナパー社のサイトに飛びます。

革用の消しゴムを使う

クリーナーやクリームで取れなかった場合は、革用の消しゴムを使うのがおすすめ。鉛筆の文字を消す感覚で汚れを擦って落とすアイテムで、表面的な汚れに効果的です。ただし研磨剤が配合されているものが多いので、綺麗な部分を傷める可能性があります。力任せにゴシゴシせず、優しく擦ってみてください。摩擦が強い状態でゴシゴシと削ると革の表面（銀面）に部分的な光沢がでてしまい逆に目立ってしまいます。

レザーソープを使う

革専用の石鹸（ソープ）もあります。マイルドな界面活性剤で、油性汚れを落とすのに効果的です。普通の石鹸を使うと染み込んでシミになってしまうため、必ずレザー用を使うのがおすすめ。使用方法は各製品の説明書に従いましょう。ヌメ革の場合、表面加工を施していないのでレザーソープを使用した場合に使用前と比べると若干色味が濃くなったり、油分が抜けて革が硬化する場合があるのでひどく目立つシミや汚れがついてどうしても気になるときの最終手段として考えておくと良いかと思います。

【要注意！】

乾燥させる際にドライヤーなどを使用すると革が収縮して変形したり革の表面が急激な乾燥によってひび割れを起こしてしまいます。風通しの良い場所で自然乾燥させながら革の表面が乾いてきたら手で触れてみて乾燥や硬さを感じるようであればオイルメンテナンスをして油分を補給しておくのがオススメです。

ヌメ革の手垢汚れ対策

続いて、ヌメ革に手垢汚れが付かないようにする対策方法を紹介していきます。

小まめに汚れを落とす

汚い手垢汚れを付けないためには、小まめに表面の汚れを落とすことが大切です。ヌメ革製品を使った後は馬毛ブラシでブラッシングをして、月に1度か2度はレザークリーナーやクリームでのお手入れも行いましょう。ヌメ革は、皮脂などの油を一度吸い込んでしまうと、取り除くのが難しい性質があります。つまり長く放置するほど黒ずみが落としにくくなるので、小まめなお手入れが重要です。

防水スプレーやオイルを塗る

防水スプレーやオイルを塗り、表面をコーティングするのもおすすめです。防水スプレーやオイルは手垢だけでなく油や水などにも効果があるので、日常的に使っていて汚れにくくなる効果が期待できるでしょう。ただし、どちらともに適量を間違えると革のシミや色ムラの原因になり、ヌメ革のツヤ感や風合が失われるので、まずは目立たない場所でパッチテストや練習をしてから使用するのがおすすめ。

防水スプレーの場合は革の表面（銀面）にフッ素樹脂やシリコン樹脂をまとわせて防水・防汚効果を高めるかたちになるので短い頻度で塗布しすぎるとオイルケアをした際に油分を吸収しづらくなる原因にもなるので注意が必要です。

【要注意！】

防水スプレーは密閉された室内や空間では絶対に使用してはいけません。中毒の原因となります。風通しの良い場所で説明書にある適切な距離をとって扱うようにしましょう。

ヌメ革の手垢の落とし方に挑戦しよう

ヌメ革の手垢の落とし方を紹介しました。表面的な汚れや黒ずみであれば、お手入れ用のレザークリームでも落ちる可能性がありますが、吸収してしまった皮脂汚れや油シミは落とすのが難しいです。

クリーナーや消しゴム、レザーソープなども試し、落ちない場合は革メンテナンスのプロにまかせるのがおすすめ。この記事を参考にしながら、手垢の落とし方を試してみてください。またこれ以上手垢をつけたくない方は、小まめに汚れを落とし、防水スプレーで保護するなど対策も考えましょう。

ヌメ革の場合は手垢や傷、汚れも思い出の１つだったりします。あまり気難しく考えすぎるとせっかく気に入って購入したヌメ革製品と長く向き合うことができなくなってしまうので、多少のキズも汚れも楽しさの１つとして楽しむのもヌメ革を使うときの心構えとしてオススメです。

Views: 500