世界中で愛される「ヌメ革」の魅力とは?
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財布やバッグ、ベルトなどに使われるタンニンなめしのヌメ革は、「本革の中の本革」と表現されることもある”革の原点”ともいえる本革で、世界的に愛されています。しかし「ヌメ革の魅力がいまいちわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、ヌメ革とは何か簡単に説明したうえで、ヌメ革の3つ魅力について紹介します。革製品に興味がある方や、大切な人へのプレゼントを探している方はぜひ参考にしてください。
この記事を読むための時間:3分
ヌメ革とは
ヌメ革とは、タンニンなめし(植物タンニンなめし・ベジタブルタンニンなめし)という加工方法で仕上げ、その後は着色や表面加工を施さずに仕上げられた本革のことです。「なめし(鞣し)」とは動物の皮が腐敗しないようにする加工のことで、なめす前を「皮」、なめした後を「革」と呼びます。ヌメ革のタンニンなめしはミモザなどの植物から抽出したタンニンに浸ける手法で、タンニンなめしは最も古く伝統的ななめしの加工技術です。
【豆知識】
※本来、ヌメ色に見える染色加工を施したヌメ革は「ヌメ革調の革」と呼ぶべきものなのですが、現代ではこちらのヌメ革調のものも総称して「ヌメ革」として認識されていることがほとんどです。
鞣し加工を終えたヌメ革に再度、加脂をしたりドラムに入れて芯通し染色を行った上から仕上げの染色を施したり、多脂状態にして堅牢に仕上げるものやウレタン樹脂を塗布するものなどがあり、仕上げ加工の方法によってそれぞれオイルレザーやエナメルレザー、多脂革やスエードなどと呼ばれる革に仕上げていきます。
ヌメ革の魅力
ここからは、ヌメ革の主な3つの魅力を紹介していきます。
ナチュラルな風合いと革らしさ
ヌメ革は仕上げ加工(フィニッシング)を施さないため、タンニンなめしの色と革本来の風合いが残ります。タンニンは植物由来なので、ヌメ革は自然100%。ナチュラルで環境に優しく、金属アレルギーを持つ方も使用できます。またタンニンなめしは革そのものが持っていた傷やシワなどの表情をそのまま残し、一点ごとの個性や味わいがはっきりと現れるのも魅力。本革の中でも最も本革らしい革だと言えます。
味わい深い経年変化を楽しめる
耐久性を上げる仕上げ加工をしないので、使えば使うほど経年変化がはっきりと現れていきます。革の経年変化は「エイジング」と呼ばれ、その味わい深く美しい変化を楽しむ方も多いです。タンニンなめしは空気や紫外線に触れると酸化して色が変化するため、使ううちにどんどん濃い飴色へ変化します。
またレザークリームなどで丁寧にお手入れするほどに、なめらかな質感に変化していきます。しっかりとお手入れしながら使うと、しなやかに手に吸い付くような上質な質感にも。角に丸みが出るなど、使い込むほどに使う人に合わせて形も変わり、持ち主の手に馴染む自分だけのアイテムになっていくのです。
丈夫でしっかりした質感
タンニンなめしは、肉厚でしっかりとした質感になるのが特徴。硬く、伸びや弾力はあまりありません。汚れやすくはあるものの、非常に耐久性が高い革なのです。使い始めは硬く使いにくい感じもありますが、使っていくうちに柔らかく馴染んできます。きちんとお手入れしながら使っていけば10年以上使い続けられる丈夫さも魅力です。
日本製の革とイタリア製の革の違い
革好きなら誰もが知っている世界三大レザーは、馬のお尻の革「コードバン」、タンニンなめしの牛革にロウやオイルを染み込ませる「ブライドルレザー」、そしてイタリア国内で生産されたヌメ革「イタリアンレザー」です。
イタリア製の革について
古代ローマの時代から皮革産業が発展したイタリアでは、日本とは比にならないほど数多くのタンナーが存在します。そして、代々受け継がれて加工技術を駆使し品質の高い革を生産しています。栽培に適した豊かな土壌で育つミモザやチェスナットから抽出される上質なタンニンが手に入ること、自国内で良質な牛革を入手できるため輸送に時間がかからないため原皮の劣化が防げることなどから、自国内でそのほとんどを完結できることが品質が安定している理由の1つと言われています。また、日本と異なるもう1つの理由として水質、使用できる薬品の違いも大きく、日本で同じ製法を試みてもなかなか再現できないそうです。
イタリアンレザーは他国のヌメ革よりも比較的しっとりして柔軟性があり、発色も良いのが特徴です。
日本製の革について
次に日本の革について触れてみます。日本の革は主に北米産の原皮(主にステアハイド)が使用されています。日本では霜降りのある牛が好まれることからわかるように国内の牛では脂肪分が多くなめし加工をしても繊維が柔らかく堅牢さがでないため、北米産(アメリカでは赤身が好まれるので脂肪分が少なく身が引き締まっている)の原皮を輸入しなめし加工を施して厚みのある堅牢な革を生産しています。
イタリア製の革と比較すると日本製の革の方が革の表情(トラ・シワ・コレス・コキズ)が強いです。日本製の革の表情が強い理由として原皮の輸送に時間がかかるのが理由の1つ。日本で使用される北米産の原皮は塩漬けにした状態で船を利用して輸送されていますが、寒暖の差や天候の変化の大きさがどれだけ塩漬けした状態でも原皮に影響を与えてしまいます。鮮度の高い状態でなめし加工ができる・できないでは結果はやはり大きく変わるものです。
そして、水質や使用される薬品の違いもあるため、イタリア製と日本製の革は似て非なるものであると考えるべきだと私は考えています。
2つの革の魅力
イタリアンレザーは肉質のしまりも良く裁断面も滑らかでしっとりとした印象の革が多い印象です。日本製の革はその逆に表情が強く裁断面も荒々しさが残り質実剛健さが魅力。
ラストドリップデザインズが扱うヌメ革は日本製です。国内タンナーによって鞣された「原初」とも言える無垢なヌメ革を使用しています。荒々しさがある分、1つ1つの作品に差があり表情がうまれます。結局ところは好みの差になるとは思いますが、私はこの日本製の革の方が手触りや風合、出来上がる作品の雰囲気が好みだったご提案していくことにしました。
日本製のヌメ革で作られたバッグや財布などはコチラからご覧いただけます。LAST Drip Designsのノンファンデーションレザー(日本製の無染色ヌメ革)コレクション
ヌメ革の魅力を楽しもう
ヌメ革の魅力について紹介しました。本革らしい風合いや質感、そしてなによりも「エイジング」と呼ばれる経年変化を楽しめることが最大の魅力です。大切にケアしながら使えば使うほど、味わい深く唯一無二な色やフォルムへ変化していきます。傷つきやすい、水に弱いなどの弱点もあり手がかかりますが、革製品を大切に育ててみたい方はぜひヌメ革を選んでみてください。
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掲載元
LAST Drip Designs co.,Ltd
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